アジア株、総崩れ 指数軒並み20%超マイナス

世界的に景気の悪化懸念が強まる中、アジアの株式市場の下落基調が鮮明になっている。2007年12月28日から今月12日までのアジアの主要株価指数の騰落率は、軒並み2けたのマイナス。下落率は上海総合指数の60・5%、香港ハンセン指数の30・4%など、深刻な金融不安を抱える米株式市場のダウ平均株価の13・9%を大幅に上回る落ち込みぶりで、新興経済国の成長神話の陰りが浮き彫りになってきた。

 ■歯止め無し

 アジア市場では、米証券大手、リーマン・ブラザーズの経営問題への懸念が強まった11日、上海総合指数の終値が前日比3・3%安の2078・981ポイントと約1年9カ月ぶりの安値をつけ、香港ハンセン指数、台湾加権指数も年初来安値を更新。韓国やインドの株価指数もそろって下落する総崩れとなった。この反動の買い戻しで12日は反発をみせたものの、市場では、株価の下落基調には歯止めがかかっていないとの見方が支配的だ。

 米国の金融不安が株価の重しとなっている状況は、日本の株式市場も同じだ。

 だが、8月の主要株価指数の月間騰落率をみると、米ダウ平均が1・4%値上がりし、日経平均株価が2・3%の下落にとどまったのに対し、アジアでは上海総合指数が13・7%、香港ハンセン指数が6・5%も値下がりした。

 市場関係者は「米国の消費低迷で輸出企業の業績の悪化傾向が顕著になり、7月以降、アジアの実体経済の減速懸念が強まったため」(白川浩道・クレディ・スイス証券チーフエコノミスト)とみる。

 さらに、欧米で金融不安が高まる中、アジア株は相対的に株価が高かったものの、「資金の手当てで保有株式を売却するヘッジファンドなどの動きが相次ぎ、投資マネーが逆流を始めた」(馬渕治好・日興コーディアル証券国際市場分析部長)ことが下げを加速した。

 欧米や日本に比べ、国内の投資家の厚みに欠けるアジア市場は、海外投資マネーへの依存度が強いだけに、外国人投資家の撤退が大きく影響している。

 ■ダブルパンチ

 一方、中国国家統計局が12日発表した8月の鉱工業生産は前年比12・8%増となり、7月の14・7%増から鈍化。「アジア各国にとって、米国に次ぐ輸出相手国である中国経済の成長減速は、ダブルパンチで株式相場に変調をもたらす」(白川氏)との指摘もあり、株価の低迷はさらに深刻化する可能性もある。

 アジアの新興国には、投資信託などを通じ、日本からも成長期待の個人マネーが大量に流れ込んでおり、今後も株価の大幅な下落が続けば、国内の個人消費にも悪影響を及ぼす心配がありそうだ。
| 真実

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。