自分にネガティブなレッテルを貼る

自分にネガティブなレッテルを貼る
自分にネガティブなレッテルを貼ってしまうと、気分や感情、意欲が損なわれやすくなります。例として、「私は負け犬」と言う意識が頭を占めている人について考えてみます。こうした思考が精神的に不健全である事は言うまでもありませんが、負け犬という言葉にはネガティブな感情が込められ過ぎています。ネガティブな感情を誘起する「負け犬」という言葉を用いて自分を表現するべきではなく、「私は結婚していないし、子供はまだいない」と、その語の表している条件を用いて自分を表現すれば良いのです。さらに、この条件は人の特徴の内、ごく一部を取り上げているだけという欠点があります。「私は結婚していないし、子供はまだいない。しかし、私は仕事で充実感を味わっているし、週末を一緒に過ごす人もいる」といった具合に補足する必要があります。

もしも、「私は負け犬だから何をやってもダメ」という様な思考が生じている場合は、「私は負け犬」「何をやってもダメ」と2つの事が安易に結び付いています。これは、「今日は仏滅」「何をやってもダメ」と2つの事を結びつけて、「今日は仏滅だから何をやってもダメ」という思考を形成するようなものであり、こうした結び付きは解除する必要があります。従って、「私は結婚していないし、子供はまだいない。しかし、私は仕事で充実感を味わっているし、週末を一緒に過ごす人もいる。物事がうまくいく時もあれば、ダメな時もある」といったように思考を変化させる事が望ましいです。

こうした感情をネガティブにする思考パターンは、子供の頃から常に用いられているうちに、習慣化してしまい、言わば、その人の個性となっているので、自分で思考パターンの歪みを発見し、矯正する事は容易な事ではありません。うつ病、不安障害といった心の病気では、こうした思考パターンが症状をより悪化させてしまい、また、症状が進むと、思考のネガティブな部分がより強くなるという悪循環が生じやすいのです。こうした悪循環を断ち切る為に、間違った認知を発見し、より健全な思考へ置き換える事が認知行動療法と呼ばれる心理療法の原理となっていて、うつ病、不安障害など多くの心の病気に対して有効な治療法となっています。

脳の鍛錬と言えば、頭の回転を高める面が強調されているかも知れませんが、自己の思考パターンに潜む不適切な部分を改善する事が心の健康、ひいては、幸せを得る為に重要である事も知って頂ければと思います。
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